【4/64】山水蒙(さんすいもう)
序卦伝には、
「蒙とは蒙(おろ)かなり。物の穉(おさな)きなり。物おさなければ養わずべからず」とあります。
ひとつ前の「水雷屯」は、土の中で若芽が”今か今か”と発芽の瞬間を待ちわびているが、思った以上にその時が来ず伸び悩むさまが書かれていました。
そして伸び悩んでいる穉きものは然るべきものが養って(指導して)いかなければならないと書かれています。
情景に例えると、山の麓に川があり、水の気が霧になってしまったため山の上の方を見るにも濛々としてよく見えない状態です。
「蒙」という文字には道理に暗いという意味があります。
上爻:導いていくことが書かれた中で、蒙がひときわ大きい。
指導側も強く臨まなくてはという姿勢。過信を咎めるように勢いを弱めたり、他者からの憎しみを防いでいるとも。
5爻:この物語の指導者である師匠は2爻にあたります。その2爻と協力しあう位置にあるのが5爻です。師匠が教えを発する(陽)と、5爻は誠意をもって受け止めます(陰)。とてもいい関係で、悟りも早い。
4爻:4爻の周りには協力してくれる者がいません。師匠と出会えないまま蒙暗の中を進まなければならず、自分の無知に苦しみます。環境を変えるなどの方法を。
(💡陰×陽の組み合わせだと協力となりますが、4爻の隣接は陰なかり一つ飛ばした応爻にも陽はありません)
3爻:本来進むべき方向にいかず、寄り道をしてしまって彷徨っている状態。
もう一度物事の本質を見極めて進みたい方向へ軌道修正を。
2爻:この物語の指導者(師匠)が2爻です。教わる側代表の5爻と協力しあう間柄。相手との信頼関係が大切と説かれています。親子関係や夫婦関係のようだ、とも。
初爻:霧が立ち込める中、教えを乞うために門を叩いた状態。師匠も半端者には教えられん!と規律など厳格に指導を始めます。何事も始めが肝心。誠意をもって取り組むこと。従順であれば穏やかに待遇がされるでしょう。
伸び悩んでいる状態から師匠の指導を受けておさなきものは物語を進みます。
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