今日はどんな話をしようか。

羽川くるみの日常。

【易ノート】3/64水雷屯(すいらいちゅん)

【3/64】水雷屯(すいらいちゅん)

 

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天と地が出来てそこに万物が生まれる~のですが、「屯」という文字には”寄り集まる”や”悩む”という意味があります。 初めて世界を創造するにあたり、地面に埋めた種の芽は早々早くには伸びない、といったところでしょうか。

六十四卦の中に「四大難卦」というものがあります。この水雷屯もその一つ。

「水(坎)」という文字は土が欠け水がたまる様を表しており、悩む、陥る、という意味があるため、組み合わせて出来た卦もその影響があるのです。

 

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水(坎)は心の部分だけスイッチON(陽)であり、気持ちが落ち着かない状態です。

雷(震)は行動力(体のみ陽)はあるけれど、まだ地面の下にいて身動きがとれません。伸び悩みます。いつになったら芽吹けるのかと。

ではどうしようもないのか、というとそうでもなく。地中の種は希望を秘めた悩みの状態を指します。時がくるまでは慌てず待ちましょう。

 

 

上爻:悩みの最終局面までやってきたものの、やはり力はなく(上爻も陰だから)。ただ何もできないまま立ち尽くす。

 

5爻:君主も悩みを抱えています。でもそれは自分の力量の話ではなく、そういうタイミングなのだと思うしかない。焦っても仕方のない状態。

 

4爻:君主を支える身でありながら、決断力が乏しく迷ってしまう。力あるものが援助を申し出るので従うといい。

(悩み事で4爻が出たら英知ある者=詳しい人に相談すると読んでもいいと思います)

 

3爻:(状況は不安定)

案内人もいないのに、危険な森へと進もうとしている。君主であれば危険を察知して引き返すことが出来るのだが・・・。そのまま進むとよろしくない。

 

2爻:行動力のある初爻に惹かれ進むべき方向を見失ってしまう。最終的には正しい方へ進むが時間がかかる。(卦は初爻から上爻にかけて進むとされているのに、ひとつ前の初爻に惹かれてしまった)

 

初爻:行動力はあるけれど、今はまだその時ではない。意欲を抑えながらどっしりと構えてまつ。

 

 

水雷屯の爻は、ずいぶんと人っぽいなと思って読みました。

2爻の「初爻に惹かれる」部分は、どっしりと構える様をみて、この人についていこうかしらとなっているように見えました。

最初の解説で「地中の種は希望の種」と書いたのですが、さすが四大難卦。上爻に上り詰めても何もできないのは歯がゆいですね。

 

 

 

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