【10/64】天沢履(てんたくり)
※3文字目の「履」は踏む、踏んで歩くという意味。
「虎の尾を履む。人を咥わず。亨る。」
この卦は「虎の尾を履むような危険な状態にいるよ」という注意喚起の卦。
そこで卦の構造に注目。外卦は「乾(天)」で六親関係では老父、内卦は「兌(沢)」で少女(三女とも)です。
危険な状態の中、少女は先に歩いている老父の背を追いかけます。その様を、上下関係を弁えて正しく従順であれば虎に咥われずに済むと説いています。
ただし、健脚のあとを弱い人(弱い立場の人)がついていくので、ついていく方は並大抵の辛さではない。でも、それも使命!と励んでいけば危害はないであろう。
上爻:虎の尾を履まぬように進んできた。省みるタイミング。
ここまでの事を省みて、良ければ今後もそれを守り、そうでなければ改める。そのようにして常に自らを反省していけば大きな吉を得ることが出来る。
5爻:決断を行うとき。それが正しいとされていても危険は伴う。
5爻は君主の位置。ついてきた民には色んなものがいる。全員を服させることはとても難しいが君主として司る立場であるので、決断はせねばならない。
4爻:慎めば吉。
自分には能力があることを知っているが、目上の人に従順でいるために自らを戒め恐縮しているため、危険からは免れる。
3爻:能力が伴っていないのに気だけは強い。思いあがってしまい危険に遭う。
(先人にならう、目上の人に従順であれば危険から逃れられる卦なので、思いあがって突っ走ると危険な目に遭いますよという。)
2爻:俗世を離れて生活する人のように、心を乱すことなく障害のない道を進んでいける。坦々と。
初爻:新人ポジション。周囲からの援助は見込めないけれど、志を胸にまっすぐ進む姿を咎める人はいません。
序卦伝「物蓄えられて然るのちに礼あり。故にこれを受くるに履を以てす。」
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