今日はどんな話をしようか。

羽川くるみの日常。

【易ノート】8/64水地比(すいちひ)

【8/64】水地比(すいちひ)

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7/64地水師の内卦と外卦が入れ替わったのが8/64水地比です。

ひとつ前(地水師)では領土を荒らされたがゆえに、(自国にとって)正しい戦いをする・・・ということが書かれています。
この水地比は水が土地を潤すように見えるところから、戦が終わり平和が訪れた田園風景のようすです。
平和が戻ると、人は集い、賑わい、向上発展を求めます。

 

「比」という文字には「比べる」という意味のほかに、五行同士の関係性で同じものが揃う「比和」のように、「同じ」「等しい」という意味や、「比類」のように「同類」「仲間」という意味もあります。

 

卦辞は「比は吉。筮に原(たず)ね、元永貞にして咎なし。寧からざるもの方(まさ)に来る。後夫は凶。」です。

親しくすることは良いこと。交流するときには筮竹に問うように、相手のことを誠意をもって考えなさい。そして相手のことを思う気持ちに嘘が無いのなら咎めはありません。
人が集まるところには心安らかでは無い招かざる客もやってきます。ずっと疑って様子を伺ってからくるような人は信用してはいけないと書かれています。

 

大河ドラマなどで、ようやく平和が訪れて賑わいを取り戻した農村に、物陰から怪しく観察した後に訪ねてくる奴は何かしら問題を持ってくるわけで・・・。
相手からもそう思われないように、機先を制することがポイントです。

 

 

上爻:(卦辞でいうところの後夫の位置)状況の把握が出来ずに、どうすれば良いか悩んでしまう。初心(初爻の立場)を思い出して誠実でいれば道は開ける。

 

5爻:慈悲の心。良い関係を築くには多少意見が違うことがあっても、些細な事であれば気に留めない。(君主は心が広いお方)

 

4爻:(3爻の位置では方向性の間違いについて書かれている)1歩先に踏み出しても若干足元は不安定。進む先にいる君主(5爻)を頼って良い時。自分にとっての目上の人や上司に積極的にアプローチを。

 

3爻:自分が親しくしようと思っている相手をもう一度確かめてみて。もし誤解があるのなら方向性の見直しも。

 

2爻:心が適う方向に進んで良い時。自分がどうしたいのか、判断力を信じて。

 

初爻:相手に向かい、まっすぐ気持ちが通じていくとき。

 

 

序卦伝:民衆が聚(あつ)まれば必ず親しむところあり、ゆえにこれを受くるに比をもってす、比とは親しむなり、人と親しむものは聚り睦み輔(たす)け合いて然る後に必ず少しは財を畜(たくわ)うるところあり・・・

 

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